妖怪たちとの夏の夜。
毎年、夏の夜に現れる「奇怪夜行」。
〈伝統工芸×文化財〉妖怪の描かれた提灯を展示するアートイベントです。
夏の夜に現れる「奇怪夜行」・福岡県の伝統工芸である「八女提灯」を200年以上つくり続けている「伊藤権次郎商店」と特別にコラボレーションし、奇怪な夏の夜を演出します。
立花家史料館では、立花家に伝わる妖怪の絵巻物「芸州武太夫物語絵巻」をご覧いただけます。
2024 年のテーマは「こわかわ」。
不気味な妖怪はどこか可愛さもあるところが多くの人を魅了しているのではないか。昨今の「かわいい」という言葉にはいろいろな意味を持たせることができ、特に現代を生きる若者が幅広い場面で使っています。
今年の奇怪夜行は、この相反する言葉の曖昧さ、紙一重さに注目し、福岡を中心に全国にファンをもつ「かわいい」を体現する複数のアーティストとコラボし、夏の夜のイベントをつくりあげます。
【8月8日】大広間 怪談会2024
昨年も開催し、⼤好評・満員御礼だった怪談会を今年も奇怪夜⾏に先駆けて開催いたします。この怪談会は、⽂化財である⼤広間にて怪談をお楽しみいただける、⾮常に貴重な機会となっています。
昨年に続き、怪談師の城⾕歩さんに加え、琴乎 沙亜揶さんもお招きし、背筋のゾクっとする怪談を披露していただきます。また当⽇はイベント参加者限定で奇怪夜⾏の展⽰もご覧いただけます。
立花家に伝わる「妖怪絵巻」に出会う
立花家史料館では、奇怪夜行のイベントの着想にもなった、立花家に伝わる妖怪の絵巻物「芸州武太夫物語絵巻」をご覧いただけます。
芸州武太夫物語絵巻とは三次(現在の広島県三次市)に住む稲生平太郎が、
寛延2年(1749)7月に体験した実話を元にしたものです。
平太郎の体験談は評判となり、実録本や絵本、絵巻が作られるほどでした。
絵巻には16歳の平太郎とお化けの30日間の根競べが描かれています。
毎日さまざまな怪異がおこり、周りの人々はとても怖がりますが、平太郎だけは全く動じません。
そして7月最後の日、物語は衝撃のラストをむかえます。
参加アーティスト
シゲマツ
少年時代にアニメ・漫画カルチャーに影響を受ける。2017年より福岡を拠点にイラストレーターとして活動開始。デジタル・アナログでの作品を制作、発表を行なっている。アンニュイな表情が特徴的な女性は、作家自身の内面を投影している。
woodboy
色の混ざり合い曲線美の追求。 空間を作る一枚をテーマに抽象画をメインに絵画を制作。 2019年ARTの素晴らしさを伝える為、 配信アプリ17liveにてアーティスト活動を初め2020年世界大会をはじめ各イベントに入賞。 様々な国の思考やカルチャー、 ファッション、 自然の力強い美しさ、 生命の神秘などが作品のアイデンティティとなっている。
浜武 武士
福岡、大阪、東京でグラフィックデザイン、パッケージ設計等に携わり、2021年よりフリーランスとなり福岡県八女市を拠点に芸術作品制作、デザイン依頼を受ける。パンクロック×琳派の影響を強く受け、作品のモチーフは家族に由来するものも多く変幻自在な作風で純粋な情熱と、好奇心に生きる芸術家。
とも
つぶらな瞳の女の子をモチーフに、日常を遊び心でデコレーションしたような絵を描くイラストレーター。
雑誌の挿絵、広告、MVのイラスト、アーティストグッズのデザインなど幅広く精力的に活動中。
まりこ
コロナ時期に趣味で絵を描き始めたのがきっかけで2020年から活動を始め、様々な場所で個展を開催。「人の生きている色」をコンセプトに、主に色鉛筆とアクリル絵の具で制作。
Pirako
福岡在住のイラストレーター。
SNSを中心に、Z世代のターゲットに向けた自身のイラストグッズを展開。企業、及び商品タイアップほか大手商業施設や地方各地のカフェ等でのポップアップにて知名度を増やし、活動開始約2年でSNS総フォロワー数は7万人を超える。
鎌田 かまを
福岡県出身、在住中。猫とお酒が大好きなイラストレーター。
どこか懐かしい、をテーマに昭和〜平成初期テイストのイラストを描く。
個展やポップアップなどを精力的に行う。アパレルブランドとのコラボや商業施設ポスターイラスト、アーティストグッズのデザインなども手掛ける。
イベント概要
開催期間:
2024年8月9日(金)〜12日(月)
時間:18:00〜21:00(最終入場 20:30)
入館料:一般 1,500 円、高校生 1,000 円、小中学生 500 円、未就学児 無料
会場:柳川藩主立花邸 御花/立花家史料館
※ ご来場について
ぜひ西鉄電車等公共交通機関でのご来場にご協力ください。駐車場はお近くの有料駐車場などをご利用をお願いいたします。
主催:伊藤権次郎商店、株式会社御花 /企画:株式会社crafcult/協賛:西日本鉄道株式会社、文喫 福岡天神/協力(公財)立花家史料館, 森山絣工房
100年後へと残したいもの。
〈伝統工芸×文化財〉のチカラ
奇怪夜行は、「妖怪」を通して八女提灯などの伝統工芸や、御花・立花家史料館で受け継ぐ文化財や歴史史料の素晴らしさをもっと知っていただきたい。可能性を模索していきたい。そういった想いで生まれました。
私たちが生まれる前から脈々と受け継がれ、今の時代にも生きているものたち。
私たちは、これからの「100年後の未来にも残したい。」と思っています。
本イベントを通して、工芸や文化財の本質的な魅力に触れる足掛かりになっていただければとても嬉しいです。
伊藤権次郎商店 8代目 伊藤博紀
奇怪夜行の要である八女提灯を作る創業200年以上の歴史ある提灯屋「伊藤権次郎商店」。
重要文化財や神社仏閣などの装飾用の提灯を作り続けています。
8代目伊藤博紀氏は伝統を守りながらも、世界的に有名な会社が制作する映画の美術セットやインテリア等に展開するなど、新たな提灯の可能性を広げる活動にも力を注いでいます。
柳川藩主立花邸 御花
約400年の大名文化を今も柳川藩主の末裔が受け継ぎ、運営している老舗料亭旅館。
現在、伯爵家時代の邸宅と庭園を含む約7000坪の敷地全体が国指定名勝に指定されており、文化財の新たな魅力を創出するため、様々な体験を企画し、提供しています。
(協力)立花家史料館
国指定名勝「立花氏庭園」内にあり、公益財団法人立花財団が運営する博物館です。戦国武将・立花宗茂を藩祖とする柳川藩立花家伝来の美術工芸品、いわゆる大名道具の展示を通じて、立花家の歴史文化を紹介しています。所蔵品は柳川藩主立花家伝来の文書・美術工芸品が中心で、国宝1点、重要文化財3点他、約3万点の歴史資料から構成されます。400年の長い時間をかけて形成され、連綿と受け継がれてきた貴重な資料群です。
(協力)森山絣工房
森山絣工房
安政5年(1858年)創業の歴史ある久留米絣の工房。久留米絣の工程は30工程ほどあり、今日では大半が機械織りで生産されている状況の中で、重要無形文化財に則った久留米絣の工程を守り続ける数少ない工房の一つです。
2023年の豪雨災害により、現在工房復興へ向けて取り組んでいます。